日々のコミュニケーションを疎かにせず、大事に意識していくと人は元気になります。
落ち込んでも回復することが容易になります。人間にとってコミュニケーションというのは単なる伝達手段だけではなく、元気を維持する一つの能力と考えることが大事です。
それには、コミュニケーションのカラクリを知ることが大切です。
コミュニケーションと言うと発信と考える人が多いのですが、コミュニケーションは全て「受信」から始まります。受信から「発想」、そして「発信」へと。このサイクル(受信→発想→発信)がコミュニケーションの基本プロセスです。これは人間の日常の基本動作です。意識しようがしまいが、此のプロセスを回しながら人は生きています。重要なのは此の一つひとつのプロセスをどれだけ意識するかです。
では、どう意識するか。先ずは、「受信→発想→発信」を「Inspiration → Imagination →
Elaboration」とより能動的な英語表現に置き換えます。
例えば、受信=Inspirationには単なる受信を超えて、‟ひらめき”や‟共感”といった要素が含まれます。今まで気づかなかったことがわかる。見えなかったものが見える。感じなかった事が知覚できる。更には、そのことでワクワクしてくる。これらの要素を「受信」は持ってます。
ここで重要なのは、物事に関心を持つことです。日常的に我々は様々な事象や出来事に出逢います。
そこには驚きや想定外なことが多く起こります。それらの一つひとつのことに関心を持つことが受信力を上げInspirationを生み出します。今、目の前で起こっていることに大いなる関心を持つことです。
発想=Imagination は人間を人間たらしめているものです。人間はイメージの動物といっても過言ではありません。見えないものをイメージとして捉え、新たな意味づけを行うことができます。
Inspirationを契機に、それをより具体的に“絵“にしていく(構想する)のがImaginationです。人によって描く“絵“は様々です。動画もあれば、ポンチ絵もあります。
立体的でもあり、時空を超えている場合もあります。この抽象的な発想をより現実的な視座に落とし込んでいく過程がImaginationです。
Steve Jobsの名言である「Connecting
the Dots」においてConnectするのがImaginationの役割です。Albert Einsteinも「Imagination is more
important than Knowledge」と断言しています。
一見、異なるものをどう繋ぎ合わせイメージ化していくかが鍵です。
発信=ElaborationはImaginationによってイメージ化されたものを“表現”することです。Elaborationには「外に向けて入念に仕込む」と言う意味合いがあります。人間には「表現欲求」があります。イメージが一つの形に仕上がると、それを「表現したい」という欲求が生まれます。
外の相手に向けて入念に言語と非言語で表現をつくり、相手に伝わる工夫をすることが発信です。その時に気をつけなければならないのが、相手に「伝える」ではなく、相手に「伝わる」ということです。残念ながら人間社会は「伝えれば伝わる」という世界ではありません。「伝わるには、それ相応の努力と創意工夫が不可欠です。
受信→発想→発信のコミュニケーションの結果物が「表現」です。人間は表現する動物です。様々な表現を通じて日々の日常生活を生き抜いています。食や呼吸のサイクルと同じようにコミュニケーションとは人の生存を維持・確保するためのサイクルです。