2011年6月1日水曜日

【メディア情報】本日6月1日発売の宣伝会議に寄稿させて頂きました。

本日6月1日発売の宣伝会議に寄稿させて頂きました。



巻頭特集「近所の評判から風評被害まで その本質を考える」にて、
戦略コミュニケーションの視点から、3.11以降いかにして日本への信頼を取り戻すか、
海外からの風評被害をいかに克服するかについて考察しました。

是非、ご一読下さい。

巻頭特集/近所の評判から風評被害までその本質を考える 
風評被害のメカニズム

■戦略コミュニケーションの視点 
日本への信頼を取り戻せ 
海外からの風評被害をどう克服するか

-.風評被害は「三つ目のクライシス」
-.海外メディアが過剰反応する背景
-.メッセージのない情報発信はリスク
-.「ブランド構築」視点での風評被害対応は逆効果
-.海外から注目を集めるための「逆転の発想」
-.コミュニケーションを経営戦力にする

(宣伝会議 HP) http://ec.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/sendenkaigi/#article_01

2011年5月30日月曜日

多くの日本企業に欠落している、“ある機能”(戦略コミュニケーションで斬る*第16回)

トヨタのリコール、東電の原発事故、ソニーの個人情報漏洩などのクライシス対応を見ていると、あることに気付く。

多くの日本の企業には「コミュニケーション」と云う括りの機能や組織がない。

ステークホルダーと世間(Public)に対してコミュニケーションをはかり、関係性(Relations)を構築すると云う発想で組織づくりがなされていない。

コミュニケーションとなると大抵は広報部と云うことになるが、日本企業の広報が果たしている機能は企業のコミュニケーションという視点から考えると相当に限定的である。

その中心はマスコミ対応である。

企業によっては社内広報の機能を持っているところもある。

また、ネット時代を迎えて、ウェブの管理などの業務も加わるようになった。

しかしながら、企業が行っているコミュニケーションの全体から見れば、本当に一部である。

グローバルを目指す日本企業にこそ、コミュニケーションを間接部門、コストセンターとして考えるのではなく、有事の際に企業を守る経営戦力として位置付ける発想が必要である。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

☆twitterアカウント:@ShinTanaka

2011年5月27日金曜日

Public Relationsこそ米・ホンダ成功のカギ(戦略コミュニケーションの温故知新* 第12回)

(前回からの続き)次は、アメリカの部品メーカーである。

自動車産業は組み立て産業である。数万点にも及ぶ部品を組み立てている。

現地生産となると今まで取引の無かったアメリカの部品メーカーを開拓することが必要となる。

しかしながら、これは簡単な話ではない。

これも従業員と同じようにホンダ生産方式とホンダ哲学を十分理解し、それに対応出来るだけの生産ラインと労働力の質が米国の部品メーカー側に求められる。

出来るだけアメリカの部品メーカーの採用をはかるが、どうしてもダメな場合は、日本で取引している日本の部品メーカーに米国への進出をお願いすることになる 。

これはこれでいろいろと新たな問題を想起させる。
米国の部品産業を破壊するなどと言って日本の部品メーカーの米国進出への反対運動が起こる。

一方、海外進出に慣れない部品メーカーの日本人駐在員やその家族が大幅に増えることに対する地域社会との軋轢が増えてくる。

いずれにせよ、モノを売ることからモノをつくることになるとより多くのステークホルダーとの関係性が複雑に交差、そこを十分に手当てしないと現地化戦略は間違いなく頓挫する事態に当時のホンダは直面していた。

いずれにせよ、ホンダのアメリカでの現地化戦略を成功させるためには、その実現に資する形で多様化するステークホルダーとの関係性を戦略的に構築して行く事が大きな課題になっていた。

ホンダがアメリカでPublic Relations部門を立ち上げるに至る背景がここにある。

*「戦略コミュニケーションの温故知新」。このシリーズでは一度、原点回帰という意味で私のコミュニケーションの系譜を振り返り、整理し、そこから新たな発想を得ることが狙いです。コミュニケーションの妙なるところが伝えられれば幸いだと考えます。

~~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

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2011年5月25日水曜日

メッセージ発信の“レーダー機能”を活用せよ(戦略コミュニケーションで斬る*第15回)

メッセージ発信は相手に何かを伝えるだけではない、

メッセージを発信することによって相手の反応を読み、

その狙いや動きを察知することも重要な目的である。

そして、そのメッセージ発信の“レーダー機能”が今後はますます重要になる。

相手に何かを伝える前に、相手を知る事がコミュニケーションの原則。

ところが、今までは黙って観察するだけで相手を知ることができたが、価値観の多様化、世界の多角化、意識の流動化によって観察だけでは、相手を知る事が難しくなってきている。

いわば「肉を切らせて、骨を断つ」発想が求められる。

更に、コミュニケーションは「後だしジャンケン」が基本であるという事も忘れてはならない。

相手の手の内を知らずにこちらから発信するのは危険と云う発想をする。

しかしこれからは、あえてこちらからメッセージを発信するリスクを冒してでも、相手の真意を探る事が必要となる状況が増えてくる。

企業の最前線、外交、安全保障の場では、今後レーダーのように色々なメッセージと云う電波を発信、その反応を読み相手の狙い、動きを察知する機能が必要となる。
*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「
オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

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2011年5月23日月曜日

有為な人材とは何か(戦略コミュニケーションで斬る*第14回)

今回は有為な人材とは何かを考えてみたい。

以下、5月22日付の日経新聞、風見鶏の中で取り扱われた文章である。

国家の危機に有為な人材を登用するのは当然。 
官房副長官に就いた後、萎縮していた官僚たちを「俺が責任をとる」と言って奮起させたのは、仙谷氏だ。 
人事の評価を一概には決めつけられないが、それにしても「他に人はいないのか」と言いたくなってしまう。(2011年5月22日日経新聞2面 風見鶏より抜粋)

有為な人材とは何かを考えてみる。

大辞林をによると、有為とは「形や状態をつくる事ができる」と云う意味合いであるそうだ。

すると、それができる人材が有為な人材ということになる。

具体的な状態をつくるためには、人の世である限り、自分以外の周りの人々がその状態をつくるために行動を取って貰わないと実現できない。

言い換えると有為な人材とは人々を行動させる人材のことである。

「俺が責任をとる」と云う一言が官僚を奮起させ、行動させる。

しかし、それは言葉だけの問題ではない。

人が言葉からメッセージを受け取る比率は35%と言われている。残りの65%は非言語による。

その非言語の殆どがその人の覚悟、つまり意志のあり方によって左右される。

覚悟する事ができるか否かがメッセージ性を決める。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

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2011年5月20日金曜日

コミュニケーションの正攻法、「根回し」のススメ(戦略コミュニケーションで斬る*第13回)

「根回し」と云う言葉がある。

時々によって良くも悪くも使われる。

会社生活の中ではよく「役員会の前に役員メンバーとの根回しをしっかりやれ」とか日本のビジネスマンにとっては必要不可欠なスキルとして扱われることもある。

一方、根回しによるコンセンサス重視のため、海外では日本の意思決定の遅さの元凶ととらえられることもある。

この「根回し」と云う言葉、コミュニケーションの視点から考えると結構「活けた」手法である。

コミュニケーションにとって「メッセージの一貫性」と「サプライズ発信の最小化」は基本中の基本である。

この2つができていないと信頼醸成が出来ず、コミュニケーションそのものが毀損する。

サプライズ発信を使う政治家として小泉純一郎さんがいる。

サプライズで支持を得るというやり方は基本的にはコミュニケーションの王道ではない。

一種の奇襲戦法である。

奇襲と云うのは勝敗を決めるような場合に有効な手法である。

孫子の兵法でも「兵とは危道なり」と言って、敵の想定外を攻める奇襲が勝敗の鍵を握ると主張する。

勝敗の白黒をつけるような選挙のような戦うコミュニケーションではサプライズと云う奇襲戦法は効果はある。

しかしながら、サプライズ発信はある程度コミュニケーションの天才的なセンスが求められる。誰でもができるわけではない。

実際の戦いでも奇襲は天才でなければ使え得ぬ技と言われている。奇襲で平家を滅亡に追いやった源義経然りである。

やはり天才で無い普通のリーダーはサプライズを使わない正攻法で攻めるべきである。

その際に役に立つのが「 根回し」という日本固有の発想である。

方針や政策について関係者への根回しをしっかりやる事によって、関係者の間でのサプライズを最小限に抑える。

結果、反動を和らげ、方針や政策の実現性を高める事ができると同時にメッセージの一貫性を保ち易くなる。

根回しのコミュニケーションレバレッジが効いてくる。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一
フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

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2011年5月18日水曜日

今、目の前にあるチャンス(戦略コミュニケーションで斬る*第12回)

世界が多極化する中で、国の発信力が益々問われて来る。

一国の発信力はこれからますます弱まって来るのが世界の趨勢である。

アメリカや中国と言えども、世界世論の流れには抗えなくなって来ている。

今後、国の発信力を上げて行く装置やプラットフォームが求められて来る。

国の世界への発信を拡声する装置の一つに国際会議がある。

大きく2つに分かれる。ダボス会議のようなNGOなどが主催する会議とG8サミットのように国家レベルで主催される会議である。

いずれにせよ、国際会議という拡声器を利用、世界世論をリードする事が国の発信力に必要となる。

その鍵は課題設定力である。

世界の課題をいち早く先取り、イニシアティブをとる。

その課題解決のために自国の知見、経験、知識を供出、他の国々の支持、協力を取り付けながら世界世論を引っ張っていく。

国益と世界益を一致させる広義の安全保障につながる。

フクシマに象徴される世界の課題を設定できるチャンスが、今、目の前にある。

従来の国際会議だけでなく、日本自からイニシアティブを取るフクシマ会議の開催は日本の今後の発信力を強める装置として真剣に考える価値あり。

タイミングは今年しかない。

*「戦略コミュニケーションで斬る」。このシリーズでは、様々な時事的な事象を捉えて、戦略コミュニケーションの視点から分析、戦略コミュニケーションの発想から世の中を見ていきます。

~~~~~~~~~~~~~~~筆者経歴~~~~~~~~~~~~~~~~~

田中 慎一フライシュマン・ヒラード・ジャパン 代表取締役社長

1978年、本田技研工業入社。
83年よりワシントンDCに駐在、米国における政府議会対策、マスコミ対策を担当。1994年~97年にかけ、セガ・エンタープライズの海外事業展開を担当。1997年にフライシュマン・ヒラードに参画し日本オフィスを立ち上げ、代表取締役に就任。日本の戦略コミュニケーション・コンサルタントの第一人者。近著に「
オバマ戦略のカラクリ」「破壊者の流儀 不確かな社会を生き抜く”したたかさ”を学ぶ 」(共にアスキー新書)がある。

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