2023年10月18日水曜日

立ち位置とは何か

最近、「立ち位置」という表現をよく使います。「これからは企業の立ち位置が問われる」「リーダーとしての立ち位置をつくる」「日本の立ち位置を強くする」など頻繁に使います。また、研修などの場でも「強かな立ち位置をどうつくるか?」と言ったテーマで良く議論を進めます。

そもそも立ち位置とは何か。「立ち位置」と言うと大体の人が頷きますが、その意味を聞くと結構答えに窮する人も多く、曖昧に捉えられているようです。「立ち位置」はコミュニケーションを考える上で非常に重要な意味を持ちます。立ち位置とは周りから「どうみられるか」です。例えば、

社会的動物である人間にとって周りから「役に立つか」「役に立たないか」どちらに見られるかは切実な問題です。どう見られるかによって仕事のみならず、人生そのものが大きく影響を受けます。「立ち位置」によって人間は生かされていると言っても過言ではありません。

立ち位置とコミュニケーションの関係を考える上で、一つの小話を紹介します。

New Yorkerだと自慢するスタッフがいました。生まれも、育ちもNew York、他のアメリカ人とは「違う!」と自負していました。そこで彼に「何が違うの」と質問すると、速攻で「発想が違う!」と答え、例え話を切り出してきました。

New Yorkはご存知のように摩天楼が聳え立つ大都会です。そこには多くの古い高層ビルが立ち並びます。そこで一人のNew Yorkersが古い高層ビルのロビーに入り、最上階に行くために直行便のエレベーターに乗ります。するとNew Yorkerの他に5人の同乗者が乗り込んできました。古いビルですから、エレベーターも遅く、これからどこの階にも止まらず、ゆっくりと時間をかけて最上階に向うことになります。「その時、New Yorkerは何を発想するのでしょうか?」これがスタッフが切り出してきた質問です。皆さんだったらどうしますか?

彼は自慢げにその回答を話し出しました。

「先ず、自分を含めた6人の中で一番弱く見られそうなのは誰かを見極める。」仮に自分が一番弱く見られると判断したら即行動にでます。「ああ!!」と大きな声を出して腕を大袈裟に持ち上げ、自分の時計を見る。そして一言「空手道場に遅れる!」New Yorkerはその後、無事に最上階まで行きます。

たわいの無い話ですが、立ち位置とコミュニケーションの関係性を説明するのに手軽な例えば話だと思います。

New Yorkerの立ち位置は彼が行動する前後で大きく変わりました。彼の行動は3つのプロセスからなっています。先ずは「受信」、そして「発想」、最後に「発信」です。どう見られるかで「受信」、何をメッセージとするかで「発想」、行動するで「発信」です。これはコミュニケーションのプロセスです。立ち位置をつくるのがコミュニケーションです。立ち位置によって人は生かされます。よってコミュニケーションは人を生かすために天からの授かり物と認識することが大事です。

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